ライバー事務所に所属して活動するうえで気になるのが、何らかの理由でトラブルが発生し、違約金を請求される可能性について。
実際、ライバー事務所から違約金を請求されることはあるのでしょうか。今回は、ライバー事務所から違約金を請求されるパターンについて解説します。
違約金を請求された場合の対処法や、トラブルを回避する方法もあわせて紹介しているので、事務所に所属してライブ配信を行ううえでの参考情報としてお役立てください。
1.ライバー事務所から違約金を請求されるのはどんな時?
通常、正式な手続きをとったうえで事務所を辞める際、違約金が発生することはありません。
注意ポイント
ただし、契約内容によっては事務所を辞めることに対する違約金が発生します。
例えば、事務所が定める「所属すべき期間」を過ぎていないにもかかわらず、一方的な都合で退所した場合、違約金を請求される可能性があるでしょう。事務所を辞める前に勝手に他の事務所へ移籍するといった、事務所がタブーとしている行為に対して違約金が発生することも。
また、配信活動中の規約違反や事務所に対して損害を与えた場合などは、ライバーの責任として違約金が発生するかもしれません。違約金の金額については、契約内容や事務所によって異なるため一概には「いくら」と言い切れませんが、毎月の報酬額を数ヶ月分にした金額とする場合もあるようです。
2.違約金を請求するライバー事務所は悪質なことも多い
注意ポイント
明らかに自身の責任で事務所に損害を与えた場合以外で違約金を請求してくる事務所は、そもそも悪質な事務所である可能性が高いでしょう。
不当とされる違約金を請求された場合に関しては、後ほど紹介する「違約金を請求された場合の対処法」をご覧ください。
また悪質な運営を行う事務所は、違約金を請求してくること以外にも以下の特徴があります。
- 金銭に関する特徴
- サポートに関する特徴
- 契約内容に関する特徴
- 高額な登録料やレッスン料を要求してくる
- 配信ノルマを達成できないことに対して罰金を請求してくる
- 報酬の分配が不透明である
- 経費を多く計上してライバーの取り分を減らす
- 配信やSNS運用に関するサポート体制が備わっていない
- トラブル発生時に対応してくれない
- ライバーを放置する
- 契約書の内容が不透明である
- 不利な条件を押し付けてくる
- 極端に高額な違約金の内容が記載されている
このほかにも、所属ライバーの情報がない、インターネット上に口コミや評判が見つからない事務所は、運営自体が悪質なものである可能性が高いでしょう。
また、悪質なライバー事務所に所属することがないよう、以下の視点を持つことも大切です。
- 複数の事務所を比較・検討する
- 契約書の内容をしっかり確認する
- 不明点は必ず質問する
- 実績や評判を調べておく
- 直感で怪しいと感じたらその事務所は避ける
3.ライバー事務所から違約金を請求された場合の対処法
ライバー事務所から不当な違約金を請求された場合は、すぐ支払うのではなく以下の対処法を取るようにしましょう。
3-1.違約金の内容を確認する
ポイント
違約金を請求されたら、請求金額の内容を確認し、なぜ違約金が発生しているのか確認しましょう。
また、契約書の内容と照らし合わせて、違約金の内容が正当なものか確認することも大切です。
3-2.弁護士へ相談する
ポイント
請求内容が正当なものではないと、自身で判断できない場合は弁護士に相談してください。
契約書の内容や違約金の計算方法など、専門的な目線で適切なアドバイスをくれるでしょう。
3-3.事務所に交渉する
ポイント
弁護士に相談のうえ、違約金について事務所に交渉することも大切です。
仮に自身に不備がある場合の違約金であっても、現実的に支払えないなどの理由がある場合、減額や免除を求める余地はあるかもしれません。
3-4.消費者センターへの相談も検討する
ポイント
事務所との交渉がスムーズにいかない場合は、消費者センターに相談するのもおすすめです。
消費者センターは、いわゆる消費者トラブルに関する相談に対して、アドバイスやサポートを提供する機関です。
3-5.法的手段を取る
ここまで紹介した方法で違約金トラブルが解決できない場合は、法的手段を取らざるを得ないことも。
ポイント
裁判所に訴訟を起こす、調停を申し立てるといった手段が挙げられます。
4.違約金などのトラブルを発生させないライバー事務所の辞め方
ここでは、違約金などのトラブルを発生させず、円満に事務所を辞めるための方法を紹介します。
4-1.辞める理由を明確にする
考えなしに「辞める」と伝えるのではなく、冷静になって辞める理由を明確にしておきましょう。辞める理由や不満を明確にして伝えることで事務所の環境が改善され、辞めずに済むパターンもあるかもしれません。
注意ポイント
一時の感情で辞めてしまうと、事務所とトラブルになる可能性があるため注意が必要です。
4-2.マネージャーに相談を持ちかける
ポイント
自分一人で考え込むのではなく、マネージャーに相談するのもおすすめです。
辞めたい理由をしっかり伝え、そのうえで辞めることを正式に決定しましょう。
なお、マネージャーと話し合う際は契約書を用意し、内容を確認しながら話し合うことでトラブルを回避しやすくなるでしょう。
4-4.話し合い・各種手続きのうえで退所する
ポイント
事務所と自身でしっかり話し合い、双方納得のうえで退所できれば、トラブルにつながることはほとんどないでしょう。
退所日や退所前に実施しておくべきこと、ノルマの残りや退所後の給与支払いなど、スムーズかつ円満な退所ができるよう進めましょう。
なお場合によっては、対処申請からすぐに辞められず、契約期間を終えるまで辞められないこともあるため注意してください。また、事務所経由で使用していたアカウントは、退所後に使用できなくなることが多い点も覚えておきましょう。
まとめ
ライバー事務所を身勝手な理由で退所してしまうと、契約期間やノルマなどの観点から違約金が発生する可能性があります。正当な理由で退所するにもかかわらず違約金が発生する場合は、事務所が悪質であるパターンも考えられるでしょう。
ライバー事務所から請求された違約金の内容に納得いかない、明らかに不当だと判断できる場合は、契約書の内容を確認のうえ弁護士などに相談してください。また、違約金などのトラブルを発生させないために、退所の流れをしっかり考えることも忘れないようにしましょう。
違約金に関するトラブルが発生すると、今後の活動にも悪影響を及ぼすこともあるので、注意しなければなりません。